2017-05-22

梅雨前の昼下がり

梅雨の前なのに真夏日が続いている。夏は好きだ。何かがはじまる予感を感じさせる桜の春よりも、ひたすら熱に浮かされたような夜がつづく夏のほうが好きだ。夜の中でだけはじまるものがある。

もっとも、暑いことは、子育て中の親にとっていいことは何もない。汗をかくので頻繁に服はかえなければならないし、汗疹は心配で、顔が赤かったりすると虫にでも刺されたのではないかと心配になってしまう。そういう心配そのものが無意味であるということを自分に言い聞かせるがそれでも心配になる。まあ人間なんていうのはそんなもので、正しい、とわかっていても、守れなかったりすることもある。あるいは、間違っていることが楽しかったりするということもある。ままならない。なにも片付かない。なにもうまくゆかない。だが偶然うまくゆくこともある。

娘の下半身から排泄物を洗い落として戻り、仕事のメールを出し、ゆるい風が吹く部屋にすわっている。

壁にはりつけた「仮象の塔」の原稿が揺れている。
社会に必要とされていないものを書く。だがそれは、どこかに読者がいるというわたしの確信とまったく矛盾しない。