2017-05-28

電車で見かけた子供

比較的暑い一日だった。東京都内で一般の会合があったので参加した。

東京へ向かう電車の中でスマートフォンを操作していると、隣に座って旧型の端末を使っていた子供が、ものすごくうらやましそうな顔をして、わたしの手元をじっと見ていた。はっきりその子の顔を見たわけではないが、その視線が突き刺さるようで、なんだかかわいそうになって、スマートフォンをポケットに戻した。すると今度は残念な気配が伝わってくる。子供を横目でみると、ふたたびさきほどの端末をいじり始めた。それでなにをしているのだろうと様子を伺ってみると、アドレス帳を開いたり、閉じたりする操作をしているだけだった。たぶん、親に持たされてはいるが、高額のパケット料金など払いたくないため、利用制限がかけられているのだろう。まずますかわいそうになった。

やがて、子供はどこかの駅でガラケーを握りしめておりていった。大人になったら、好きなものを自分で選んで買うことができる。だが、子供の頃《得られなかったもの》は二度と手に入らない。そう思って、窓の外をみる。子供の姿はとっくの昔にみえなくなっていた。