2017-07-18

路傍の犬

暑くて仕事にならない、と愚痴をいいながら机に向かっている。そういえばさきほど昼のニュースで105歳の現役医師が亡くなったというものを見た。わたしも死ぬまで仕事したい派だし、尊敬する作家たちもみな引退とは遠い生活を送っているのでこの医師のことをうらやましい人生だと思うが、一歩ひいて考えると、やはり勤労が美徳の社会では年を取っても休むこともままならずこうした「美談」によって働くことをいつまでも強いられる空気があるな、ということも同時に思う。ただほんとうは仕事=生業は楽しいものであるはずで、それを営利団体に悪用されている(いわゆるやりがい搾取)ことに問題があるだから、仕事の楽しさ、仕事の誇り、仕事の満足、これらを自分の手に取り戻してゆく、といくのがこの国で満足に生きてゆく方法なのかもしれない。それは職人になる、という理路と解釈される。古いしきたりが生きる保守的で古い国のなかで「ゆるく」生きたり、これから距離を置いた「無頼」な生き方はひとつの考え方であると思うが、ひとつの技術を研鑽することに没頭する生き方があってもよいと思うーーそれが第三者にどう評価されるかはどうでもよいことで、いわゆる美談などは犬にでも食われたらいいと思った。