2017-08-21

自意識ストリップ現代詩(またはFへ)

いつでも脱ぎたがっている
いつでも裸をみせたがっている
いつでもほんとうの自分を知ってもらいたがっている
いつでも《理解》してもらいたがっている

なぜなら認めてもらえるから
なぜならいまここにいる自分を認めてもらえるから
肌をみせるだけでお金になるから
ふくれた財布からお金をしはらってもらえるから

だがしかしほんとうはちがうのだった
だがしかしほんとうにほしいものはお金ではないのだった
認めてもらうことができなかった自分をすくうこと
ほめてもらえなかった自分をゆるすこと
あいされることのなかった自分をたすけてもらうこと
これらがゆいいつの目的であってお金は副産物なのだった

だからいつでも脱ぎたがっていて
いつでも裸をみせたがっていて
いつでも魅力的な自分を知ってもらいたがっていて
いつでも《理解》してもらいたがっている

さまざまな衣をまとっていて
さまざまな芸術的な意匠を身にまとっていて
さまざまなきれい事を身にまとっていて
でもそのすべてが実はいつわりで
でもそのすべてが実はかりそめのもので
でもそのすべてが実は仮象にすぎないので

ただ孤独だけがそこにあって
たださみしさだけがそこにあって
ただくるしさだけがそこにあって
みてほしかったときにみてもらえなかった傷だけがあって
ほめてもらいたかったときにほめてもらえなかった傷だけがあって
あいしてほしかったときにあいしてもらえなかった傷だけがあって
それを糊塗するためにだけ芸術が必要とされていて
それを隠すためだけにアートが必要とされていて
それを隠蔽するためだけに《現代詩》が必要とされていて
よわくてなさけなくてふるえる魂をかくす外套が必要とされている

だからいつでも脱ぎたがっていて
だからいつでも裸になりがたっていて
だからいつでもほんとうの自分を知ってもらいたがっていて
いつでも《理解》をもとめていて
いつでもストリップをしたくてたまらなくて
まわりから石をなげられてもうつくしい笑顔で
まわりから軽蔑されてもうつくしいしぐさで
まわりから馬鹿にされてもうつくしいその手で
観衆たちのまえにかわいそうな自分を提示するほかなく
服をぬぎすてる手つきに羞恥心をまとわせるすべをまなんで
身体を売らないゆいいつの娼婦になるほかないのだ

(2017年8月21日)